■ふれあい体操 とは            お問い合わせ 052-364-7880


            ■ ふれいあ体操 ■

 ひろがりでは、職員と子どもたちとのふれ合いを通し、子どもの身体感覚に音楽とともに働きかける「ふれあいリラックス体操」を行っています。

 静的弛緩誘導法を基に考案された「ふれあいリラックス体操」は、「障がいの重い」子どもたちとの実践の中で試行錯誤して、でき上がってきたもので、身体感覚と音楽のコラボレーションです。

体操とはいってもラジオ体操の様なものとは、本質的に異なります。
優しく声かけしながら、おなか・せなか・こし・頸部・手や足に、順にふれていく手技です。

 この「ふれあい体操」を正しくご理解いただくために、意図やねらいなどを、少しご説明をいたします。 
 (右の「ふれあい体操」の本より、一部抜粋しています)


      
     ◆ ふれあい体操の3つの重要なポイント ◆

 1、「ふれあい体操は、「頭の体操」 「感覚の体操」 「認識の体操」です
    身体を直接動かす体操ではありません。
    身体を動かすもとになる「身体感覚」に働きかけるものです。
    脳の中のボディマップを明確に学習するものです。

 2、「ふれあい体操」は、「やりとり=コミュニケーション」
    大人が一方通行でするものではありません。
    あたたかく、包み込むようにふれながら、待つことです。
    ぬくもりや息づかいを通して、何かを伝えてくれます。

 3、「ふれあい体操」は、「心にふれあう(共感)」
    子どもの心に寄りそい、身体だけでなく心に、ふれようとします。
    母(かかわる人)の愛(思い)を 伝えます。
    音楽に合わせるのではなく、子どもの心に、合わせて行います。




◆ふれあい体操は、次の4つの体操を総称しています。

   ふれあいリラックス体操   右下に歌詞を紹介しています。


    「ふれあいリラックス体操」   動画→   *右下に歌詞を紹介しています
    「ふれ足体操」
    「ふれっ手体操」
    「変装しよう〜顔あそび体操」

  名称からもわかるように、「おおまかな全身」 「足全体」 「手全体と体幹のつながり、そして 「顔」 と、人の身体の全体と部分を音楽に合わせてふれたり動かしたりして遊びながら、楽しみながら学習していくものです。
 
 ふれあい体操の特徴は、身体全体の感覚が明確になっていくことにより、リラクセーションが図られ、呼吸や血液循環、内臓の動き、のみこみなどに、よい影響を及ぼしていきます。



         ♪ ふれあい体操により リラックスし 笑顔がでています ♪


 ◆留意点◆

@「ふれあい体操」は、ふれていく人がどのようなイメージを抱いて、どのように ふれていくかによって、その効果が大きく異なります。子どもが「心地よい」と感じ、はっきり身体の部位の感覚を味わうことができ、安心できるようなふれ方ができる様にして頂きたいです。

A子どもの身になって、子どもがどう感じているかを推察しながら、問いかけながら行い、決して一方的なふれあいと歌いかけに陥らないよう、楽しくふれあい、気楽に続けていくことが最も大切です。

B毎日実践し、こどもたちの反応を確かめながら行い、子どもが泣いたり、嫌がる場合は無理に行わないようにして下さい。

Cふれるときは、YTTを心掛けて下さい
 優しく(Y) ・ たいせつに(T) ・ ていねいに(T)  

 ◆対象◆   

@「障がいの重い子どもを対象としています。
A障がいの程度により、それぞれの体操の有効性にやや違いがみられます。
B自閉症児や多動の子どもたちにも、とても有効との報告がいくつかあります。

 ◆活用

 特別支援学校の長年の実践のなかから生まれた体操ですが、単に身体を動かしたり、さすったりするということではなく、対話したり歌いかけながら触れることにより脳に働きかけます

  「ふれあい体操」によって、緊張や拘縮が徐々にゆるんだり、呼吸も楽になり、笑顔が出てくることがあります。その結果、痰が出やすくなったり、食事が楽に摂れるようになることを経験しています。

 さらに、日ごろ物をつかんだり、もったりする機会が少ない、また歩行で足の裏を使うことのない子どもたちの、手の指や手掌、足の指や裏を刺激して感覚を養うための「ふれ足体操」「ふれっ手体操」も行っています。
 からだにふれることをくり返すことで、少しずつ身体の各部を意識し、感覚を自覚していくことで、新たな世界が広がります。

 
◆手順  (右に歌詞)   動画でご覧いただけます→

  ♪手の指、手のひら→ ♪首、肩から手→ ♪足の指、足裏→ ♪腰から足の裏→
  ♪腹。背中  (詳細は書籍を参照下さい)

  
  

  


 このような体操は、医療による治療や訓練とは異なり、毎日行うと,より効果的
です
。無理なく楽しく接しながら、生きるチカラを育むことで、障がいが重くても生活の質が向上するようになると思います。ご家庭で、ぜひ実践してみてください。


<ふれあい体操研修会の様子をご覧ください>

●第21回の研修会 ふれあい体操の解説と実技   1 → 

       ふれあい体操の手指 実技   2 →

       ふれっ手体操など 実技     3→ 

   モデルのお子さんの ゆったりした様子 4→
 


●ひろがりで行っている様子の動画もご覧ください

●ふれあい体操・ふれ足体操の研修会の様子を動画でご覧ください

●ふれあい体操実践研修会の様子、ブログからご覧ください

   *これらの動画は 本HPからのみ Youtubeで閲覧できます。 
 現在 ふれあい体操の頚部版として、食べる機能に関連する舌の機能に関わる舌骨下筋群の弛緩誘導を目的に 遊び歌風にした「舌骨山のごっくんこ」を、誰もが歌える「げんこつ山のタヌキさん」のメロディーで楽しくふれる手法を試行中です。その効果は、呼吸、緊張緩和、表情の変化などに認め、顎や舌の動きの活性化、唾液嚥下を促すなど、嚥下機能に影響を及ぼすと考えています。さらに改良を図っていく予定です。





上記を行うには、事前に全身への「ふれあい体操」を十分行い、子どもとの関係性が十分とれた状態で行うことが重要です。また、頸部の解剖学的な知識を把握して、その意味を考慮して行う必要があります。
ふれあい体操は、試行錯誤し少しずつ改善しています▲  

 ふれあい体操は、日々進化しています。子どもたちに繰り返しふれあっていますとふれ方や、ふれる場所、ふれる感じなどを子どもさんが、「こっちのがわかりやすい」「そんなふれ方がいいよ」などと、いろいろ伝えてくれます。
それを続けていくうちに、少しずつ変えています。本とは異なるふれ方、ふれる場所にしているところやふれ方の工夫、バリエーションも増えています。基本を変更したところもありますし、基本は基本として工夫の仕方なども増えました。

歌詞の変更に関しては、本には 「右の手のばして しゅっしゅっしゅっ・・」、足も「しゅっしゅっ」の歌詞があります。これは、どうしてもこすってあげる、マッサージ的なイメージが強く、子どもたちや研修の方からも、違和感の訴えがあり、誤解のもとであるので、歌詞の変更を考えてきました。

 なかなか変更案がないまま実践を重ねていましたが今回、わたぼうしと くも のイメージで「ふわ〜っ ふわ〜っ」に変え、それにあうよう前後の歌詞も変えました。

 それらを「ふれあい体操」の3訂版として、2019年7月出版しました。
 右欄に掲載しています。

<考案者>

丹羽 陽一
(NPO法人ひろがり 代表)


武井 弘幸

■参考書籍紹介■
(新)ふれあい体操 3訂版
2019年7月 発刊


楽譜・体操の図解 CD付き

障害の重い子のための
「ふれあい体操」



静的弛緩誘導法

上記はAmazonで
購入可能(クリックして下さい)




【公式動画】 解説
ダイジェスト版




ふれあいリラックス体操♪

@手の指と手のひらの感覚
こゆび あかちゃん えがおがかわいい
くすりゆび おねえさん おけっしょうねっしん

なかゆび おにいさん せいたかのっぽ
ひとさし おかあさん あかるくやさしい
おやゆび おとうさん はたらきものだよ 
てのひら おうちだ みんなのおうちだ

楽譜の一部です。上記の書籍に掲載されています。

A首、肩から手へのつながり
右の手 わたぼうし ふわふわ
お空へお空へ とんでいくよ
右の手わたぼうし ふわふわ
お空へお空へ とんでいくよ
 (同じメロデーで 左手・・・・)

B足の指と足の裏の感覚
こゆび 十両 くすりゆび 小結
なかゆび 関脇 ひとさし 大関
おやゆび 横綱 あしうら 土俵だ
みんなで 塩まいて しこふんで ドスコイ

C腰から足の裏へのつながり
だんだん このあし うかんでいくよ
ふわふわふわ ふーわ お空の雲に
あらまあこの足 うかんでいくよ 
ふわふわふわ ふーわ お空の雲に

Dお腹のひろがり
日本一周 してみたいな
北は北海道 南は沖縄
みんなで走ろ おなかの上
みんなでドライブ 楽しい旅行

E背中のひろがり
世界一周 してみたいな
アメリカ イギリス フランス アフリカ
山あり谷あり 背中の上
おみやげいっぱい 楽しい旅行

*この歌にあわせながら 身体の各部に順番にふれていきます

  ■研修会・研究発表■
ふれあい体操 研修会

・ひろがりでは年2回,,実践研修会を開催しています。当HPでご案内しています。
   
ブログから研修会の様子をご覧ください。

※今後の研修会    

 Top Page をご覧ください



研究発表


日本重症心身障害学会

第41回 (2015年:東京)

・静的弛緩誘導法による過緊張緩和に対する効果の検討  (愛知県コロニー歯科と共同発表

43回 (2017年:仙台)
・重症心身障がい児のいのちを育む子育ち支援1ーふれあい体操と静的弛緩誘導法を活用してー
第44回 (2018年:東京)
・ふれあい体操と静的弛緩誘導法を活用した摂食嚥下支援の2事例ー重症児デイサービスの実践ー
・開設5年半の重症児デイサービス利用児の変化ーふれあい体操と食支援を主にしたケアの効果ー


第45回 (2019年:岡山)

・ふれあい遊び「舌骨山のごっくんこ」を活用した嚥下誘導ー1 (動画による口演発表)
・ふれあい遊び歌「舌骨山のごっくんこ」を活用した嚥下誘導ー2」 (ポスター発表)

日本障害者歯科学会
第32回 (2015年:名古屋) 
・表面筋電図と心拍数を指標とした静的弛緩誘導法による過緊張緩和に対する効果の検討
(愛知県コロニー歯科と共同発表
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